ビジネスマナー研修 大全

接待の目的とその準備

接待とはビジネスイベント

 

接待とはただの飲み食いの場ではありません。
必ずその目的があります。

 

  • 日頃の仕事上のお礼
  • 親交をさらに深めるもの
  • 売り込みの商談がらみ

 

など、ビジネスイベントとして設けられるものです。
イベントですから、接待を行うにあたっては、段取りや気配りなど、
さまざまな留意点があります。

 

 

接待で気をつけるべきこと

 

ひと言でいえぱば、相手に喜んでもらうことです。
逆にいうと、少しでも不愉快な気持ちを抱かせないよう気を配ることです。

 

たとえば、帰りの車の手配まで含めて、相手に金銭的負担をかけてはいけません。

 

それがたとえ商談の契約が目的であったとしても、接待することで心理的圧力を
かけるようなことがあってはなりません。

 

また、過剰サービスになって、夜遅くまで相手を連れ回すようなことも、
翌日の仕事に差し支えますから厳禁です。

 

要は、誠意を込めた心ある接待が相手に満足を与え、楽しんでもらえることになるのです。

 

ですから、あくまで相手を中心に考え、接待する側の嗜好や都合は度外視しなければなりません。
そのうえで細心の注意を払って、失敗しない接待の準備をすべきです。

 

 

接待前日までの段取りフローチャート

 

@接待相手が決まったら、接待する担当を人選
  接待相手に見合う、こちら側の接待担当を決める。
  接待相手と同格および格上にあたる役職者のなかから適任者を選ぶ

 

A接待日の候補を挙げ、日程調整
  候補日は柔軟性を持たせ、いくつかの候補を挙げたうえで、
  相手側の都合を最優先しながら、打診・調整すること

 

B接待に伴う概算費用の算出と稟議申請
  接待相手の格、双方の参加人数から必要予算を割り出し、稟議に回して会社の承諾を得る

 

C会場・料理の選定
  接待相手にふさわしい会場と料理の候補を挙げる。その際、相手の嗜好を
  じゅうぶん考慮・検討したうえで絞り込んでいく

 

D会場予約
  できれば下見をし、早めに予約する

 

E接待相手に日時、会場を連絡
  日時・会場の他、双方の参加者の名前と役職を確認し合う

 

F送迎・手土産の検討・準備
  必要に応じて手配するもので、必要ない場合もある

 

Gよろしくとのあいさつを兼ね、前日に最終確認の連絡

 

 

接待相手について事前に調べておきたい情報

  • 嗜好:食事やお酒の好み、喫煙の有無
  • 趣味:仕事以外での話題づくりに必要
  • 出身:同郷、同窓など、話題のきっかけが得やすい
  • 信条:相手とぶつかる話題は避ける
  • 住居:帰りの車の手配や、終電への配慮ができる
  • 家族:帰りの土産の選定などに役立つ

 

 

会場・料理の選定は綿密に

 

接待の目的については前述しましたが、それに応じて、上手な会場選び・料理選びを
しなければなりません。
相手の格や目的に対し、過剰であっても過小であってもいけないのです。

 

 

店選びのチェックポイント

 

接待の重要度に応じて、いくつか侯補を絞ったら、実際に下見をしたいところ。
交通アクセス、部屋の中、コースメニューなどをしっかり確認します。

 

また、評判のよい店ほど、予約は早めにして、希望どおりの会場を確保しましょう。

 

 

店選びのチェックポイント

 

目的に合わせる

少人数の個室でいいのか、大きな座敷が必要なのかを決める
次にどの程度の格式の店にすべきかを決める

 

相手の嗜好に合わせる

その条件で、相手の好みなどを調べて候補を絞り込んでいく
評判のいい有名店なども検討してみるといい

 

アクセスが便利な場所にする

相手にとって行きやすく、帰りやすい場所を考慮する

 

事前の下見をしておく

個室ならそのテーブルの配置(席次)、隣室の騒音(会話に差し支えないか)などを事前に
確認しておくと、当日になってあわてない

 

料理はコースがメイン

コース料理をメインに選んでも、単品オーダーの料理も調べておくと、当日、相手の好みに
応じやすい。また、飲めない人がいることも想定し、ソフトドリンクの品数もチェック。
手土産を用意する場合、その店でどの程度、準備可能かも聞いておく

 

 

案内状には地図も忘れずに

 

日時、場所が確定したら案内状を送付します。FAXやEメールでもかまいません。

 

その際、日時、会場、参加者名をきちんと明記しておきます。
地図も忘れてはなりません。
お店のリーフレットが入手できるなら、地図も入っているので一番便利です。

 

前日には、「明日はどうぞよろしくお願いいたします」のあいさつを入れ、最終確認を取っておきましょう。

 

 

送迎が必要な場合は

 

接待会場での待ち合わせが通常ですが、アクセスしだいでは送迎が必要なこともあります。

 

 

送迎時の車の席次

 

●上司が運転する乗用車
  助手席は、運転手と同格クラスが原則。上司同士、担当者同士の組み合わせになる
●タクシーおよび社用車
  後部座席の運転手側が上席、助手席が末席

 

 

手土産の手配が必要なことも

 

必ずしも必要なものではありませんが、必要な場合は事前に手配します。
会場となるお店で用意してもらうのが、何かと便利でしょう。

 

渡すときには、帰り際にさりげなく手渡すのがスマートです。
大げさにならないように。

 

また、このような手土産は避けるようにします。

 

  • あきらかに高価すぎるもの
  • 持ち帰りに邪魔になるもの
  • すぐ冷蔵を必要とするもの
  • 好き嫌いが出やすいもの

 

こうしたところにも、相手に対するきめ細かい心配りを。

リンク集