ビジネスマナー研修 大全

個人宅を訪問するときは

プライベートな場所柄に配慮

 

エンドユーザー、いわゆる一般消費者に商品を販売する、金融、保険、住宅、
不動産、自動車といった業種では、個人宅を訪問する機会が多くなることでしょう。

 

その際、会社を訪問する以上に細かい配慮が必要となってきます。
個人宅はプライベートな場所柄、それぞれ固有の事情を抱えているからです。

 

 

時間帯には特に配慮する

 

まずアポイントを取る時間帯ですが、食事時やその前後にかかる時間帯は避けなければなりません。
午前中なら10時から11時半、午後なら1時半から3時半くらいまでが目安となります。

 

なお、前日には確認の電話を入れるといいでしょう。
忘れられていたり急用で出かける場合もあります。

 

 

身だしなみにも気を使う

 

通常のビジネスの場ではごまかせても、個人宅では部屋に上がることが想定されますから、
特に靴や靴下等の足回り、化粧や体臭などは要注意です。

 

 

少し遅れて行く配慮も

 

約束よりも早すぎる訪問は身勝手で失礼にあたります。
むしろ5分程度遅れるくらいが理想です。
相手も何かと準傭があるのが普通だからです。

 

営業者で訪問する場合は、事前に駐車場の有無を確認しておきましょう。

 

到着後は、駐車位置の指示に従って周辺住民の迷惑にならないように気を配ります。

 

また、タクシーを使う場合、訪問宅の前まで乗りつけると横柄な印象を与えかねません。
近くで降りて歩きましょう。

 

 

手土産を用意する場合は

 

高価なものですと相手も気持ちに負担を感じますから、一般的にはお茶菓子や果物などが無難です。

 

相手の家族構成がわかっていれば、それに合わせたものを考えてみましょう。
あるいは、センスのいい飾り物なども喜ばれます。

 

 

玄関先でのマナー

 

訪問先に到着したら、玄関に入る前に済ませることがあります。
夏なら脱いでいた上着を着る、冬ならコートやマフラーを脱ぐことです。

 

玄関先ですぐ済むといった場合でも横着は禁物です。

 

玄関先ではまずあいさつをします。
応対に出てきた人が、面会相手でなくとも「○○社の○○と申します。この度はお世話になります」と
あいさつし、手早く名刺を差し出します。

 

中に通されたら、本人にあらためてていねいなあいさつをするようにしましょう。

 

 

玄関先で済む場合もある

 

部屋の中までお邪魔するのは、互いに大変気を使うものです。

 

5分か10分程度で終わる用件であれば、上がるよう誘いを受けても遠慮し、
玄関先で済ませてしまうべきです。

 

逆に、込み入った用件になることが互いにわかっている場合には、誘いの言葉に甘えましょう。
手土産がある場合は、両手を使って差し出します。

 

 

靴の正式な脱ぎ方

 

靴を脱ぐとき、靴先が入口に向くよう背中をみせて脱ぐ人がいますが、
前を向いたまま脱いでもかまいません。

 

脱いだ靴は、床にひざをついて、反対向きにそろえ直します。

 

 

部屋に通された場合のマナー

 

洋間の応接室の場合は、会社訪問のときと同じマナーです。

 

和室の場合には、入口近くの下座で正座して待ちます。座布団があるからと勝手に座らず、
相手に勧められてから座るのがマナーです。
相手が入ってきたら座礼であいさつをします。

 

 

靴の脱ぎ方

(背中を向けて靴を脱がないほうがよい)
@上がる体勢でそのまま靴を脱ぐ
A床にひざをつき、入口に向けて靴をそろえる。そろえた靴を端に寄せておくとていねい

 

 

和室での作法

(座布団は勧められてから座るのがマナー)
@座布団の左脇に正座し、両手こぶしで座布団を押さえるようにしながら、ひざを進める
A座布団の中央に身体の位置を整える

 

 

ちょっと待った!NG例

 

[和室]
●勧められた座布団に座ったままあいさつする
※座布団をはずしてから、あいさつすること
●和室を歩くとき、敷居や畳のへりを踏む
※現代では、気にしない家庭もみられる
●座布団を踏んだり、またいだりする

 

[洋室]
●椅子に腰掛けたままあいさつを済ませる

 

[その他]
●靴下に穴が、ストッキングに伝線が…
●トイレを借りた場合、ノックをせずに利用する
※原則として電話やトイレは借りないのがエチケット
●長居をしてしまう
●忘れ物をして帰る

 

 

「食事でも」と誘われたら
食事どきに差しかかり、「よろしけれぱ、お食事をなさっていってください」と勧められる場合も
あるでしょう。
「どうぞおかまいなく。そろそろ失礼させていただきますので」と、遠慮をするのがマナーです。

 

しかし、「もう、用意しておりますから」とまで言われたら好意に甘えましょう。
こうした場合は社交辞令ではなく、本気で誘ってくれていますから、断るのはかえって失礼です。

 

食後はころ合いをみて自分から辞去の言葉を述べて帰りましょう。
長居は無用です。

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