ビジネスマナー研修 大全

ホウレンソウをマスター

「ホウレンソウ」とは?

 

「ホウ」は報告、「レン」は連絡、「ソウ」は相談。
これらをつなげて「ホウレンソウ」と覚えましょう。

 

昔、ポパイという漫画のキャラクターがいましたが、彼の活力源もほうれん草でした。
同様に、ホウレンソウもビジネスの大事な栄養素といえるものです。

 

デキるビジネスマンほど、このホウレンソウの達人だといっても過言ではないからです。

 

 

「ホウレンソウ」のポイント

 

報告は結果という「過去」、連絡はこれからの予定という「未来」に一応区別されますが、
あまり厳密に考える必要はありません。連絡も報告の一部ともいえるからです。

 

相談の重みは、一度、独断でコトを進めて大失敗したときにわかるでしょう。
これほど危険なことはありません。
特に新人のあなたは要注意です。

 

 

「ホウレンソウ」のポイント
○ホウ(報告)
  すでに終わった「結果」を報告→催促される前に報告すべし
○レン(連絡)
  予定している「未来」を連絡→こまめに連絡すべし
○ソウ(相談)
  問題解決の「アドバイス」を相談→自己判断は危険と知るべし

 

 

5W3Hの要領で

 

ホウレンソウが形式だとすると、「5W3H」はその具体的な内容に当たります。

 

報告内容が上司に正確に伝わるよう、「いつ」「どこで」「だれが」「なにを」「なぜ」そうしたのかを述べ、
必要に応じて、「いくつ」という数量、「いくら」という金額、「どのように」という方法を補足します。

 

ですから場合によっては5W1Hであったり、5W2Hであることもあります。
5W3Hまで押さえておけば、ほとんどのケースがカバーできるはずです。
早く習慣づけましょう。

 

 

5W3Hの実例

  • When(いつ)→今日の午後
  • Where(どこで)→亀山商事を訪問した際
  • Who(だれが)→先方の杉山課長が
  • What(なにを)→当社のA商品を
  • Why(なぜ)→大変、品質がよいと判断されて
  • How many(いくつ)→100ケースを
  • How much(いくらで)→1000万円で仕入れたいので
  • How(どのように)→至急、倉庫に納品してくれとのことでした。

 

 

報告はなぜそんなに重要か

 

報告とは端的にいえば「情報」です。

 

情報とは組織のなかを流れる血液にたとえられるでしょう。
この血液の流れが止まってしまえば組織はやがて死んでしまいます。

 

仕事は「指示に始まり、報告で終わる」といわれています。
そして、その報告を受けてから次の指示が発生します。

 

会社という組織全体の動きにかかわっていることを自覚して、報告は怠らないようにしましょう。
しっかり報告する部下には上司の信頼もことのほか厚くなるものです。

 

 

報告の具体的テクニック

 

組織にとっても、あなたの将来にとっても大切な「報告」について、
その具体的なテクニックを下表で整理してみました。

 

声を出すくらいにして、じっくり読んでみましょう。
なかでも重要と思われるものについて補足しておきましょう。

 

まずは5の「数字や固有名詞をあいまいにせず、正確に報告」。
あいまいなものだと、すかさず上司は突っ込んでくるでしょう。

 

精度の高い情報にこそ価値があり、逆にあいまいなものは情報のノイズ、
判断を狂わせる元凶になりかねません。
ここで、正確に報告できると、必ずや使える人材と評価されるはずです。

 

次は7の「まず結論を先に」。
言うまでもなく、ビジネスはスピードが命。競争社会のなかで生き残るとはそういうことです。
もたもたした報告をしていると「ようするに何が言いたいんだ?」と詰問されるでしょう。

 

8の「まず、事実をありのままに報告」も重要です。
上司にとって現状把握がまず先決であって、あなたの感想や判断は二の次でかまわないのです。

 

これに10の「情報提供は惜しまずすべて報告」がクロスしてきます。
豊富な情報提供ができる部下を目指しましょう。

 

☆デキるといわせる報告テクニック10
1.仕事が終了しだい、ただちに報告→報告がなければ、次の指示を出せない
2.上司から催促を受ける前に報告→上司はたえずイライラして報告を待っているもの
3.この程度の報告と思っても、こまめに報告→その報告の価値判断は上司がするもの
4.仕事を指示した上司に直接、報告→指示者が複数いた場合には要注意
5.数字や固有名詞をあいまいにせず、正確に報告→「たぶん」などというあいまいな表現は無責任に
                                   聞こえる
6.5W3Hを踏まえ、わかりやすく報告→的確な情報要素を報告につめる
7.まず結論を先に→報告は「結論→理由→経過」の順に要領よく
8.まず、事実をありのままに報告→私見を述べるのは、最後
9.複雑なケースには資料やデータも添えて報告→口頭で不十分な場合には、それを補う手段を
10.情報提供は惜しまずすべて報告→情報は「次の一手」を支える手段である

 

 

仕事を前進させるのが相談

 

組織は連携ププーで動いていますから「連絡」も密に入れるようにします。
最後は「相談」の上手な仕方についてです。

 

大きなミスに発展するのを防ぐ意味でも早めの相談が肝心です。
また、「お時間、よろしいでしょうか」と相手の都合にも配慮しつつ、
タイミングを逃さないことです。

 

そして、時間の節約と中身の濃い相談ができるよう、あなた自身が
問題点をよく整理しておくことが大切です。

 

何を相談したいのかあやふやなままでは、仕事はさっぱり前進しません。

 

 

相談しなから自分の意見を述べる
「報告」と違って「相談」は、より具体的に今後の対処の仕方を検討するためのものです。
新人のうちは、上司にその判断を仰ぐケースがほとんどでしょうが、いつまでもその状態が続くようであれば、
考える能力がない人間か怠情な人間とみなされることになるでしょう。
相談のなかにも、自分なりの解決策を積極的に提案していくべきです。
たとえ採用されなくても、上司は前向きなあなたのやる気を評価してくれるはずです。
鼻で笑うだけの上司なら、たいした上司ではありません。

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