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社外文書は格調を重視

社外文書は格調を重んじる

 

言うまでもなく社外に向けて発信するということは、会社を代表し、
相手に失礼のないこと、すなわち礼儀正しい文書であることが要求されます。

 

礼儀を重んじるということは、最低限の格調を要するということで、
それなりのスタイルが定型化されています。

 

伝達のための社内文書では効率優先でしたが、社外に対しては、まずあいさつから入るのが基本です。
下図Eの本文の部分がそれに該当します。

 

本文は頭語で始め、結語で締めます。
また本題である「主文」は前後を前文と末文で挟み、
全体を五重構造とすることで礼儀と格調を表現します。

 

◆頭語:「拝啓」などの冒頭
●前文:時候のあいさつなど
●主文:用件である本題
●末文:締めくくりの言葉
◆結語:「敬具」などの締め

 

主な社外文書の種類

連絡文書:礼儀よりも内容重視の事務的文書

  • 見積書→見積書の他、注文書、請求書がある
  • 依頼状→案件に沿った依頼事項を記す文書
  • 督促状→未納や未払いの催促などを行う文書

 

社交文書:礼儀を重んじるあいさつ文書

  • 挨拶状→社屋移転などのあいさつに使う
  • 招待状→新製品発表会などの案内に使う
  • 祝い状→支店設立など相手の祝い事に使う

 

 

【社外文書の基本書式】

 

 

@文書番号
A発行年月日
Bあて名
C発信者名
D件名
E主文
F記事き
G結び
H付記・追伸(添付書類などがある場合には追記。「以上」の前に収めても可)

 

 

頭語と結語の組み合わせ

 

頭語と結語は対になっていますので、組み合わせで覚えておきましょう。
特にあらたまった場合には「謹啓→敬白」を。

 

前文省略のときは「前略→草々」を使い、略したことにあらかじめ断りを入れます。

 

 

前文と末文はていねいに

 

前文にはクッションの役割があり、相手の繁栄をたたえたり、感謝の気持ちを表明します。

 

末文では今回の文書の目的が、「お願い」なのか「お礼」なのか、
「依頼」なのかをきちんと盛り込んで締めくくります。

 

 

「頭語・結語」と「前文・末文」

 

@頭語と結語

  • 一般的な場合:拝啓→敬具
  • 丁重な場合:謹啓→敬白
  • 急ぎの場合:急啓→草々
  • 前文省略:前略→草々

 

A前文

  • 相手の繁栄をたたえるあいさつ例
  •    貴社におかれましてはますますご清栄のこととお慶び申し上げます
       ※「ご清栄」の言い替え例:ご清祥、ご繁栄、ご発展、ご隆盛

  • 相手に感謝の気持ちを示すあいさつ例
  •    平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます
       ※「ご愛顧」の言い替え例:ご高配、ご厚情、お引き立て

 

B末文

  • まずはお願い申し上げます
  • まずは取り急ぎご連絡申し上げます
  • ご査収のほど、よろしくお願い申し上げます
  • 折り返し、ご一報賜りたくお願い申し上げます
  • 今後ともお引き立てのほど、よろしくお願い申し上げます
  • 今後ともこ指導・ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます

 

 

時候のあいさつを織り交ぜる

 

日本の気候風土には四季があり、月ごとにも移り行く季節の情趣が感じ取れます。

 

そのため、繊細な時候のあいさつが綴られるようになりました。
しかし、現代のビジネスシーンでは、あまり厳格に用いられなくなってきているのが現状です。

 

むしろ、特定の季節とは関係なく、いつでも使える「時下」という言葉が多用されています。
これは便利な言葉ですから必ず覚えておきましょう。

 

特にあらたまったあいさつがどうしても必要なときは、下表を参考にするといいでしょう。

 

 

時候のあいさつ例

 

1月:新春の候、寒さ厳しい今日このごろです
2月:立春の候、ようやく春めく日もみられるようになりました
3月:早春の候、ひと雨ごとに春が近づいております
4月:陽春の候、春光うららかな日和となりました
5月:新緑の候、緑がまぶしい季節となりました
6月:梅雨の候、うっとうしい梅雨の季節に入りました
7月:盛夏の候、梅雨が明けてようやく青空が戻ってまいりました
8月:晩夏の候、立秋とは名ばかりの暑い日が続いております
9月:初秋の候、虫の音に秋の訪れを感じるころとなりました
10月:紅葉の候、秋も日増しに深まってまいりました
11月:晩秋の候、朝晩めっきり冷え込むようになりました
12月:師走の候、年の瀬も押し迫って参りました

 

 

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